2011年3月31日木曜日
日本は貧しい国になる
● 3月27日~28日にかけて撮影された仙台市周辺の航空写真
宮城県仙台市から県南部を撮影したもの
『
msn産経ニュース 2011.3.30 22:44
http://sankei.jp.msn.com/world/news/110330/amr11033022470007-n1.htm
米国で「東電には経営責任がある」株主代表訴訟も
【ニューヨーク=松浦肇】東京電力の経営責任を問う声が米国内で強まっている。
東日本大震災で事故を起した福島第1原子力発電所への対応処理、情報開示の遅さに対して、エコノミスト、大学教授からウォール街関係者まで批判的だ。
東京電力が昨年9月に実施した公募増資では米国の投資家も東電株を購入しており、海外発で株主代表訴訟が起きる可能性も出てきた。
「誠に残念ですが、日本は貧しい国になるでしょう」。
米国家経済会議(NEC)前委員長のローレンス・サマーズ米ハーバード大学教授が23日、ニューヨーク市内の講演で断言すると、会場が静まり返った。
米国では、震災後の落ち着いた日本の社会秩序が評価される一方で、経済の先行きが懸念されている。
米国のエコノミストは第2四半期(4~6月)の日本の国内総生産(GDP)が
前年比約3%減るとみている。
その減少率の半分、1・5%分が東電「発」によるネガティブ要因。
放射能漏れや停電が都心部の経済活動を妨げ、消費の低迷につながるという見方だ。
経済への影響だけではない。
コロンビア大学が22日開催した日本セミナーでは、出席した法律、経済、政治の専門家3人が口をそろえて、「東電には経営責任がある」と主張した。
会社法を教えるカーティス・ミルハウプト教授は
「原発の安全監督など内部統制ルールに従っていない場合は取締役責任を問える」
と指摘。
日本政治研究のジェラルド・カーチス教授も
「昨年メキシコ湾で原油流出事故を起こした英BPと同じ構図だ」
とする。
経営責任はあくまで相対的な基準で問われる。
大津波よりも高い場所に設置された東北電力の女川原発や、日本原子力発電の東海第2発電所が原子炉を安全に停止できたのに、福島第1原発だけで被害が拡大した点が問題視されている。
原子力損害賠償法に従って、数兆円規模に上るとされる周辺地域への補償などを国が負担すれば、東電は事実上の国有会社となる可能性が高い。
巨額赤字に伴う無配はもちろん、経営トップが退陣を迫られるのは必至だ。
しかも、東電は昨年秋に4千億円超を株式調達したばかり。
取締役が経営のプロとして通常期待される「善管注意義務」を果たしていなかった-として国内外の株主から代表訴訟を受ける可能性がある。
清水正孝社長が昨年9月の記者会見で述べた「社会的貢献と収益の両立」がとも倒れとなった今、
「(東電の)公益会社としての経営責任の果たし方、企業統治のあり方が問われている」(米公認証券アナリスト協会のロビンソン博士)
という声が高まっている。
』
GDPが3%減ったくらいでは日本は貧しい国にはならない。
もっと大きく減るはずだ。
最低で10%。
大震災の影響はありとあらゆるところに出てくる。
え、こんなところでというところからも。
そこから推測されるのは間違いなく、
「日本は貧しい国になる」
ということ。
日本が貧しい国に一直線に落ちて行くのに反して、世界予想はのうのうと、
「たいしたことない、たいしたことない」
と言っている。
ほんとうだろうか。
『
中央日報 2011.03.31 11:52:3
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=138692&servcode=300§code=300
「日本地震の悪材料は一時的…
世界経済の回復傾向は変わらず」
東日本大地震と福島原発事故が米国および世界経済に及ぼす影響は一時的なものにすぎないという展望が出てきた。
JPモルガン首席エコノミストのマイケル・フェローリ氏は
「福島原発事故は当初の予想よりも深刻だが、日本の悪材料は長期的に見て、想像を超える障害物として米国および世界経済の傾向を変える変数にはならないだろう」
と説明した。
地震と津波に続く原発事故で自動車と情報技術(IT)部品の供給に支障が生じているが、時間が経てば韓国をはじめとする他国から代わりの供給が形成されるということだ。
フェローリ氏は日本の悪材料よりも大きなリスクに、欧米政府および中央銀行の緊縮政策とエネルギー価格の上昇を選んだ。
フェローリ氏は29日(現地時間)、韓国銀行(韓銀)ニューヨーク事務所が用意したセミナーでこのように予想した。
フェローリ氏は
「米国政府の景気浮揚政策が今年4-6月期から段階的に満了する」
とし
「これによる衝撃が予想より大きいかもしれない」
と話した。
続いて
「6月に米連邦準備制度理事会(FRB)の第2次量的緩和政策が終わった後、3次量的緩和政策が出てくる可能性は10%未満と低い」
と見通した。
また
「米国不動産価格も今後4-5%追加で下落する可能性がある」
とし
「ただ、住宅市場の沈滞を鉱山業の投資増加がある程度相殺してくれるだろう」
と展望した。
フェローリ氏は中国政府の緊縮の可能性や欧州財政危機の悪化も世界経済の回復傾向を変えるほどの悪材料にはならないと予想した。
「今年1-3月期、東日本大地震、中東・北アフリカ騒乱、欧州財政危機の悪化の兆しなど予想しなかった悪材料が出ているが、景気回復傾向を変えるほどではない」
と評価した。
フェローリ氏は
「現在の債券価格は非正常的に高い水準」
とし
「景気回復傾向が維持され、欧米政府と中央銀行が下半期以降に緊縮政策に入れば、投資対象には債券よりも株式が有望と見られる」
と述べた。
』
もちろん、銭に狂った亡者どもは自分のいいようにしか言わないが。
「残念ですが、日本は貧しい国になるでしょう」
という発言は重い。
文脈でわかるように、これからすこしずつ日本は貧しい国になっていくということ。
一時のダメ-ジを受けて、落ち込み回復するということではない。
長い時のスパンで貧しい国に向かっていくということ。
世界の誰もが日本のダメージを小さく小さく見積もろうとやっきになっている。
正常に見積もれば、世界不況が目の前に見えてくるからである。
「日本の地震による悪材料は一時的、世界は回復に向かっている」
と思いたいのが、人情というもの。
だが、本当にそうなるだろうか。
そうとはまるで見えない。
この福島原発が終局を迎えるにはあと数十年かかるという説もある。
その間の
人間的物的文化的社会的被害は予想を絶する
ものになる。
端的にいうと、
日本はそれをチャラにするまで豊かにはなれない、
ということである。
これから日本は貧しさの道をゆっくり転がっていく。
ガレキは23年分あるという。
当局はそれを3年で処理したいという。
できるかどうかはわからない。。
今の日本のなすべきことは、過去の精算である。
ガレキを片付けるように過去を精算していかねばならない。
何をどう精算するかは今は何もわからない。
旧来システムに則りつつ、今のそれを変えていくことになる。
なら、今のそれと何。
何が何だかわからない。
わからないままに歩までばならない。
そのなかを過ごしていかねばならない。
日本の明日は暗い。
明るい話題はない。
でも10年で底を打ち、上向きに転じ、
20年目からは頭を出してくるだろう。
未来は消えはしない。
10年後は必ずある。
その時の姿はどうなっているのだろうか。
しならくの辛抱である。
20年たつと人口も適正化して、日本民族の連帯性がまた高まってくるだろう。
でも、向こう10年に明るい話題はない。
この十年間を人生のメインと据えている人にとっては不運としかいいようがない。
ジリジリと蟻地獄に足を掬われるように、落ちていく。
でも、この時期、過去をふりかえって「失われた20年」と叫ぶ元気があるなら、10年なんて非常にわずかなもの。
会社がつぶれて故郷に15年もひきこもっていた中年のおっさんが助けられたという話があった。
オフクロさんがが逃げろ、といっても「もういいや」といって居座っていたのに流されながらも助かったという。
助かったのではなく、助けられたのだが。
本人にとってそれが幸であるか不幸であるかかは分からないが。
ウエーブは下向きばかりではない。
上向きに転じたとき、下向きの間になしたことが、新しい日本の核なっていく。
ちょっと暗い10年だが、面白い10年である。
ガマンガマンの10年だが、この10年に耐えられれば、怖いものはなくなる。
豊かさというものが、いかにはかないものかも、生活のなかで実感できるだろう。
その儚さを実感できることが、明日の日本の芯になっていく。
この10年は、暗く苦しいが、面白い10年でもある。
決して、見栄晴を見てはいけない。
強いていえば、やはり
「ビンボー貧乏、みんなで凌げば怖くない」
「ガマン我慢、みんなで耐えれば怖くない」
ということになるのであろう。
== 東日本大震災 ==
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