2011年3月24日木曜日

東日本大震災(Ⅱ):メルトダウンは(11)

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● 3号機の黒い煙



 深刻な状況はまだ続いている。
 しかし、これまでの手探り状態から比較すれば、合理的な判断が推理できるまでには進展している。


YOMIURI ONLINE 2011年3月24日09時23分 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110324-OYT1T00217.htm

1号機の炉心、一時400度に…燃料棒露出続く

 原子炉内の温度が、一時400度まで上昇した福島第一原発1号機に関して、東電は23日未明から仮設ポンプで、海水の注水量を増加、冷却作業を進め、午後6時現在で温度を306度まで下げた。

 しかし、燃料棒は水面から露出したまま高温になったとみられ、圧力も上昇し、炉内の状態は不安定なままだ。
 専門家も炉心の一部が溶けた可能性があるなどとし、十分な警戒が必要としている。

 元原子力安全委員の住田健二・大阪大名誉教授(原子力工学)は、「同じように原子炉内に注水し続けている2号機の温度(約100度)と大きな温度差があるのが気になる」と指摘。
 「炉心の一部が溶け、炉内が高温になったと考えられる。圧力容器を溶かすほどではないが、炉内が落ち着いていない。
 温度は今後、急上昇する危険性がある。
 細心の注意が必要だ。最も重要なのは、炉の近くで中性子線の有無を確認し、核分裂反応が連続して起きる臨界がわずかでも起きているのかどうかを知ることだ」
と話す。

 「異常な高温状態だ」と話すのは杉山亘・近畿大原子力研究所講師(原子力安全学)。
 約70気圧になる通常運転中でも水温は280度程度にとどまるとし、
 「冷たい水を高温の原子炉内に入れると、(原子炉につながる)給水配管が急な冷却で、破損するおそれもある」
という。

 宮崎慶次・大阪大名誉教授(原子力工学)は「原子炉の上部と下部で同じ約400度を示したのは、燃料の上部が冠水していないというより、水がほとんど入っていないのではないか。
 圧力容器を壊すような数値ではないが、
 深刻な状況が続いていると言える」
としている。



● 今朝のTBSニュース



asahi.com 2011年3月24日11時50分
http://www.asahi.com/national/update/0324/TKY201103240166.html

黒煙止まり電源復旧作業再開 1号機は容器内圧力高まる

 東日本大震災で被災した東京電力福島第一原発(福島県大熊町、双葉町)では24日朝、前日に3号機から黒い煙が出た影響で中断していた電源復旧作業を再開した。
 東電が24日午前5時ごろに確認したところ黒い煙は出ておらず、午前7時51分には前日に出た退避命令が解除された。

 1~6号機のすべてが22日までに外部電源に接続されている。
 24日午前11時半には、1号機の中央制御室の照明が点灯した。

 今後、地震発生当時に運転中だった1~3号機の原子炉の冷却システムが復旧できるかが焦点になる。

 22日夜に原発の状態を監視する中央制御室の照明が最も早く復活した3号機では、原子炉に真水の冷却水を送り込む「補給水系」のポンプの試運転に向けた準備を進める。
 24日中に動作試験にこぎ着けたい考えだ。

 23日夕方に外部電源による海水注入ポンプが停止した5号機も復旧を目指している。

 15日に格納容器につながる圧力抑制室で爆発があったと見られる2号機では、18日に原子炉建屋の隣にあるタービン建屋で、1時間当たり500ミリシーベルトというこれまでで最も高い放射線量を検出した。
 強い放射線が、復旧作業を困難にしている。

 炉心の冷却については、1号機で23日未明、原子炉内の温度が設計上の最高温度302度を超え、一時的に約400度になった。
 このため、炉心を冷やす海水注入量を1時間当たり2立方メートルから18立方メートルに増やした。
 24日午前1時現在、温度は243度まで下がり、状況は「良くなっている」(東電)としている。

 ただ、この1号機の圧力容器を覆う原子炉格納容器内の圧力は、22日午前11時時点で約1.7気圧だったのが、23日午後6時には3.6気圧まで上昇したため、24日午前2時半に海水の注入量を1時間あたり約10立方メートルに減らして様子をみている。
 23日夜に記者会見した国の原子力安全委員会の班目(まだらめ)春樹委員長は
 「個人的には1号機の圧力が高まっているのを懸念している。(蒸気を逃がす弁操作である)ベントをしないといけないかもしれない」
と話していた。


 政府が30キロ圏外への避難の検討に入ったという。
 ということは実施されるということである。
 この裏には、
 原発がそうすべき事態に立ち至っているいう含み
があるのだろう。
 いよいよきた、ようである。


NHKニュース 3月24日 19時3分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110324/t10014882641000.html

“30キロ圏外に避難を”

 震災対応を協議する政府と与野党各党の会合が開かれ、各党から、福島第一原子力発電所の事故を受けた半径20キロから30キロ圏内での屋内退避について、住民に放射線の影響がないとは言い切れないなどとして、30キロ圏外に避難させるべきだという意見が相次ぎました。

 福島第一原子力発電所での事故を受けて、政府は、半径20キロから30キロ圏内の住民には屋内退避するよう呼びかけており、この範囲で計測されている放射線量は、直ちに住民の健康に被害を与える状況ではないとしています。
 これについて、震災対応を協議する政府と与野党各党の会合で、民主党を除く各党から、
 「住民はすでに10日以上、身動きがとれない状況であり、この間の放射線による影響もないとは言い切れず、30キロ圏外に避難させるべきだ」
とか、
 「風評被害もあり、地域の住民に支援物資が届いていない状況もあるので、生活面を考えても30キロ圏外に避難させる方が望ましい」
といった意見が相次ぎました。
 これに対して、民主党の岡田幹事長は
 「出された意見は政府にきちんと伝え、政府側の判断を伝えたい」
と述べました。




J-CASTテレビウオッチ 2011/3/22 12:28
http://www.j-cast.com/tv/2011/03/22090957.html

福島原発すべて廃炉へ―何十年も冷やし続ける21世紀の廃墟

 福島原発3号機への放水で放射線量の当面の押さえ込みができた。
 外部電源引き込みの配線も進むはずだったが、きのう(2011年3月21日) 午後になって、3、2号機 が相次いで煙を噴き、作業員の避難などで作業は中断した。

 午後3時55分ころ、3号機から黒煙というか灰色の煙が上がった。
 6時22分には2号機の建屋の屋根のあたりから蒸気と見られる白煙が上がったが、どちらも原因はわからない。

 これについて、諸葛宗男・東大特任教授は
 「黒煙は可燃物があったのだろう。
 ただ、 環境放射能の値は上がっていないので、事態は深刻ではないだろう」
という。
 何かが燃えていて、まだ火がつくだけの発熱があるということだ。
 2号機は建屋が壊れていないから、中がどうなっているかわからない。
 煙が水蒸気だとしたら燃料保管プールか。
 これまた不気味だ。
 これらを知る出がかりが電源の復旧だ。
 観測機器類が動けば、制御室から各部分の状況がわかる。
 緊急冷却ポンプによる冷却が始まれば、消防の放水も終わることができる――これが諸葛教授の解説だ。

[◆コンクリで覆われた「石の棺」◆]

みのもんたが「どうなれば安全なの?」という。
    チェルノブイリと同じ

 6つある原発のうち、1~3号機までは炉心が何らかの形で損傷している。
 3、4号機は燃料保管プールが破損している。
 2号機の白煙もプールの可能性がある。
 プールが損傷すると燃料の抜き取りができないから、長い時間をかけて冷やしていくしかない。

5、6号機は電源の復旧で正常にもどり、今後、発電させることは可能だが、これだけの事故を起こしては再稼働はできまい。
 枝野官房長官も福島第一原発全部の廃炉を示唆している。

司会のみのもんたが「チェルノブイリはたしかコンクリートで覆ったんですよね」
諸葛教授「石棺ですね」
みの「そうなる可能性は?」
諸葛教授「あります」

 それには何十年もかかる。冷やし続けないといけない爆弾をかかえて放射能を抑え、広大な廃墟を管理し続けなければならない。現代のSFである。
 原発周辺の海水からきのう、ヨウ素131が 基準値の126.7倍、セシウム134が24.8倍が計測された。
 あれだけ放水すれば、あふれた水には放射性物質がたっぷりだ。
 海がどうなるかも自明のこと。
 これもSFだった。



● 3月11日14時46分に発生した東北関東大震災(出典:日本気象協会)





== 東日本大震災 == 



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